岩国市のパラアスリート紹介 本間邦彦 さん

車椅子フェンシング(パラフェンシング)を広めたい 本間 邦彦 ほんま くにひこさん

プロフィール

略歴: 熊本県熊本市出身。小学校6年の時よりフェンシング習い始め大学卒業後指導者を目指す。2011年の山口県国体をきっかけに2009年から山口県のフェンシング指導者になり今日に至る。一昨年より山口県立岩国工業高校から山口県立岩国総合支援学校へ転勤。(2025年1月現在)
山口県立岩国工業高校時代はオリンピック金メダリストの加納虹輝選手を輩出したフェンシング部監督を務める。

車椅子フェンシング(パラフェンシング)とは?

パラフェンシングは、障害者スポーツの一種で、車いすを使用して行われるフェンシング競技です。この競技は、主に身体障害を持つ選手が参加し、パラリンピックなどの国際大会でも実施されています。以下に、その特徴やルールについて説明します。

特徴

    • 1.車いすに固定して行う
    • o パラフェンシングでは、選手が専用の車いすに座り、動かないように固定されます。これにより、移動能力の違いが競技に影響を与えないようにしています。
    • o 車いす自体は、フレームと呼ばれる固定装置によって床に設置され、選手がバランスを崩さないよう工夫されています。
    • 2.上半身の動きが重要
    • o パラフェンシングでは、主に上半身の動きと腕の操作が鍵となります。選手は胴体の柔軟性や腕のリーチ(届く範囲)を活かして攻撃と防御を行います。
    • 3.用具と種目
    • o 使用する武器は、オリンピックのフェンシングと同様に「フルーレ」「エペ」「サーブル」の3種目です。
    • o 防具や剣のルールも通常のフェンシングとほぼ同じですが、競技台や車いすの配置などが異なります。

ルール

  • • 選手の車いすの間には一定の距離が設定され、この距離は両選手のリーチに基づいて調整されます。
  • • 試合では、有効な攻撃が相手の防具に当たると得点が与えられます。
  • • 各武器種目に応じて、有効範囲や攻撃の優先権が異なります。

歴史と意義

  • • パラフェンシングは、第二次世界大戦後にリハビリテーションとして始まりました。その後、障害者スポーツとして国際的に発展し、1960年の初代パラリンピックで正式種目となりました。
  • • この競技は、身体的な制約を乗り越え、戦略や技術で勝負することから、参加選手に大きな達成感と自信を与えるスポーツとして知られています。
  • • 日本での車いすフェンシング
  • • 日本でも車いすフェンシングは注目を集めており、パラリンピックなどで活躍する選手も増えています。日本代表選手は、競技力向上だけでなく、障がい者スポーツの普及にも積極的に取り組んでいます。
    車いすフェンシングは、障がいの有無に関係なく、人間の可能性を広げるスポーツの一例として、多くの人々に感動を与えています。

距離は両選手のリーチに基づいて調整される

動画 パラフェンシング試合 2024年8月24日「加納虹輝杯」にて
 パラフェンシングとの出会い

パラフェンシングとの出会いは今在籍している総合支援学校より以前です。
3年位前ですが広島市でパラライフサポート協会という団体を運営する田辺文昭さんから突然連絡をいただいたことがきっかけです。
田辺さんは、弱視の方ですが、スポーツが大好きで水泳にも取り組まれています。たまたま見たフェンシングをやってみたいということで、日本フェンシング協会に連絡したところ、私の名前があがったようです。
そこで、広島市の光町にある心身障害者福祉センターでフェンシングに取り組む際、田辺さんの友人で車椅子の山本さんも一緒にやってみたいということで、パラフェンシングに取り組むことになりました。これがきっかけで中級パラスポーツ指導員の資格もとりました。
今では、ひろしま三銃士というクラブが立ち上がり、仲間も増え、広島では10名ほどパラフェンシングに取り組まれている方がいらっしゃいます。

パラフェンシングの魅力

固定された椅子に座るので、健常者も障害者もなく、同じ条件で練習や競技を行うことができます。例えばパラリンピックの代表選手はオリンピックの代表選手とも互角の試合をすることが可能です。海外のフェンシングクラブでは、練習のホールに車いす用のフレームを常設して、健常の選手も一緒にパラフェンシングを楽しんでいるといった例もあります。

パラフェンシングの普及活動

現在、パラフェンシングの普及活動は場所や用具の面もあり、広島市を中心に行っています。広島市でのイベントや岩国市ではインクルーシブデーなどで体験会を行ったりしています。
また、岩国市や広島市で大会を企画し全国からパラフェンサー達が参加をしてくれています。
昨年は広島市に民間のフェンシングクラブ「ALETAフェンシングスクール」が立ち上がり、練習場にフレームが常設されるようになるなど練習環境が整いつつあります。

今後の普及活動目標

フェンシングもパラフェンシングもマイナーな競技なので、お互い助け合い、両輪となり普及活動を進めたいです。通常のフェンシング大会にパラフェンシングも種目の一つとして取り入れることで、インクルーシブな大会を数多く企画していきたいと思います。

障害者のみなさんへのメッセージ

今は広島市を中心として活動を行っていますが、その活動を岩国市にも広げたいと思っています。パラフェンシングに興味のある方はまず、ひろしま三銃士または、ALETAフェンシングスクールを検索してみてください。一緒にフェンシングを楽しみましょう!

ひろしま三銃士

https://sannzyuusi.com/
パラ フェンシング 練習場所
広島市心身障がい者福祉センター
練習日:月・金・土 15:30〜18:00

ALETAフェンシングスクール

https://aleta.jp/
〒733-0012 広島市西区中広町3-10-19 2F
TEL . 080-4627-3619

関連情報

関連情報はありません