落語家 柳家花緑氏 障害者理解促進講演会&落語 開催されました 11/3
「物の見方で全てが変わる! 発達障害は生涯発達!」
令和4年11月3日(木・祝)
令和4年度心身障害者(児)理解促進講演会が、シンフォニア岩国コンサートホールにて行われました。講師の落語家 柳家花緑氏は、国内に約800名いる落語家のなかで、戦後最年少の22歳で真打ちに昇進した経歴を持ちます。2017年出版の自著にて、ディスレクシア(学習障害:LD)であることを公表しました。ディスレクシアは、発達障害の一つで、知的に遅れはないけれど読み書きが苦手で、特に緊張やプレッシャーが高まると“脳の視野が狭くなる”ような感覚を覚え、数分前まで読めていた文字が読めなくなってしまうこともあるとのことです。今でも読み書きできない漢字が多く、中学時代の「1」が並ぶ通知表をテレビ番組で公開すると、視聴者から事務所に「息子と同じ障害です」というメールが届いたとのこと。最初は半信半疑でしたが、それがきっかけとなり専門機関で検査を受けました。
診断がついたことで、“努力が足りなかったのではなかったんだ、自分のことがわからなかったが、自分自身のトリセツ(取扱説明書)を手にした”思いであったとのことです。障害を受け入れることに時間はかからず、その背景には祖父の人間国宝の五代目柳家小さんの教えの中に「万事素直」(いつも素直で)という言葉があり、短時間で障害を受け入れられたのは素直さがあったからかもしれないとのことでした。
発達障害がある事で“ポジティブシンキング”をした方が良いと言われますが、ポジティブに考えるという事は、元々がネガティブに捉えているという事、例えば、発達障害の特性の中で、“過集中(過剰に集中しすぎること)”という状態があるが、言い換えると“好きなことを人の2倍できて、やりたくないことは人の半分”。諸外国では、発達障害のことをギフテッド(才能を授かった人)と呼ばれ、ともすれば“天才”というイメージを持たれることもある。日本では“みんな平等で”あることが美徳とされ、生きづらく感じることも多いとのことでした。迷惑を“あまり”かけないのであれば、あるがままを受け入れて自分らしく生きて欲しいとのことでした。
花緑氏は、講演会の中で、「発達障害は、100人いれば100通り、見方を変えることで全てが変わっていきます。発達障害は、生涯発達!困難に直面しても明るさや前向きさを絶やさずに今あるものに目を向け感謝の気持ちを持つことが自分の中にある豊かさの発見につながる」と話し、講演会を閉じられました。
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